2026年度中央大学国際情報学部オープンキャンパスの振り返り
8月はじめに開催された中央大学国際情報学部のオープンキャンパスにおいて、GDGoC Chuoは来場者向けの体験型技術セッションを担当しました!
企画は、学部のコンセプトである「IT技術と法律のつながり」を意識してもらいつつ、話題のAI技術に触れてもらう1時間のプログラムです。その中でプログラミング体験のコーナーを40分ほど行いましたので、このブログではそこに焦点を当て、企画の準備や当日の運営で得た技術的な気づきや反省点をまとめます。今後オープンキャンパスなどで体験企画を運営する方の参考になれば幸いです。なお、告知タイトルでは親しみやすさを重視して「画像解析」という言葉を使っていましたが、技術的な仕組みとしては「画像認識」と表現するのが正確ですね。
プログラミング体験の概要
HTML上でJavaScriptを動かし、TensorFlow.jsを使ってAIによる画像認識をできるWebアプリを作ることがゴールです。ゴールからコードを切り出した雛形を参加者に配布し、4ステップのTODOを解説しながら書き写していく形でHTML, CSS, JavaScriptそれぞれを書いてもらいました。
受講者の想定と現実
今回のセッションは、学部が文系寄りなこともあり、プログラミングの経験があまり無い高校生を主なターゲットとして想定していました。しかし、実際に当日レクチャーしてみると、参加者の作業スピードには予想通りの差がありました。これはプログラミングの知識というよりは、普段からWindows PCの操作に慣れているかどうかという点での差が大きかった印象です。キーボード操作やファイルパスの概念など、PC操作全般の熟練度を考慮した進行設計が必要でした。
PC室の環境による制約
今回の企画で一番頭を悩ませたのが、会場となった学内PC室の環境制限でした。PC室の端末は再起動のたびに環境が初期化される仕様になっており、さらにPythonもインストールされていませんでした。
そこで、ローカル環境の構築を一切不要にし、すべてWebブラウザ上で動作するJavaScriptベースの仕組みを構築することにしました。ただ、ここでローカルサーバーをどう立てるかという問題に直面します。わざわざVS Codeの拡張機能を入れてもらうのは準備の手間が増えますし、Pythonの簡易サーバーも使えません。
試行錯誤の末、認識させる画像をあらかじめBase64形式に文字列化してコード内に組み込み、ブラウザ単体で完全に処理が完結する構造にしました。外部のクラウドAPIを利用する選択肢もありましたが、裏側で起きていることがブラックボックス化してしまい、高校生にとって仕組みが理解しにくくなってしまう懸念がありました。そのため、あえてローカルのブラウザ上で動く処理にこだわり、処理の透明性と分かりやすさを追求しました。
ちなみに、私自身も最初からAI技術に詳しかったわけではないため、実装にあたっては生成AIに質問しながらコードを組み上げていきました。企画のブレスト段階では「画像がAIで生成したものか本物かを見抜くクイズ」なども候補に上がっていましたが、最終的には体験と学びの深さを重視して現在の体験型構成に落ち着きました。
今後に向けた懸念と反省点
技術的な反省点として最も強く感じたのは、外部サービスや特定ライブラリへの依存リスクです。万が一、本番直前に利用しているライブラリやWebサービスが停止したり仕様変更されたりすると、企画全体が立ち行かなくなってしまいます。念のためTensorFlow.jsのライブラリファイルはローカルに保存していましたが、AIモデルまでは保管していませんでした。フォールバックとなる完全オフライン環境の準備や、依存を極力減らしたコード構成の検討が今後の課題です。
オープンキャンパス企画を担当する学生・後輩へのメモ
最後に、今後オープンキャンパスで似たような企画を運営する後輩や他サークルの方向けに、事前確認や当日の機材周りで気づいた点をシェアしておきます。
まず事前環境のチェックに関してですが、VS CodeのAI補完機能が動いてしまわないか懸念していました。しかし、会場のPC環境はバージョンが2年前でロックされていたため、補完機能について考慮する必要はありませんでした。また、ファイルの拡張子表示についてもデフォルトで表示される設定になっていたためスムーズに進行できました。
プレゼン環境については、スライド操作用のリモコンを持参していたため、キーボードに触れずに手元でスライド送りができて快適でした。ただ、デモ画面とスライド画面を切り替える際のAlt + Tab操作も手元で実行できれば、さらにスマートな進行ができたと感じています。また、特に自分が解説する場面でマイクを手に持ったままだと両手が塞がってしまうため、マイクスタンドなどで固定できる環境を整えておくべきでした。
おわりに
環境的な制約が多い中での企画でしたが、大きなトラブルも無く無事にセッションを終えることができました。体験してくれた高校生の皆さんに、少しでもAIやプログラミングの面白さと法律との関わりを感じてもらえたなら嬉しいです。準備に協力してくれたメンバーの皆さん、ありがとうございました!